年齢を重ねても

 皆さんには尊敬できる存在はいますか?面接試験等でも良く聞かれる質問で、多くの人は恩師だったり両親だったりを答えるのではないだろうか。

 私にも尊敬できる人が数人いるが、その中でも思い出深い存在は大学生のときアルバイトをしていた飲食店の店長だ。その店長は、学生時代相当ヤンチャしてたらしく、ここで書くことがはばかられるくらいの武勇伝を持っている人で、自分はそんな話を閉店作業後のメンバーで行くファミレスや牛丼店で深夜まで聞くのが大好きだった。

 出入りの激しい飲食店バイトで長く続けている存在となった自分は、重要なポジションを任せられるようになり日々忙しい業務をこなしていた。そんな中ある事件が起きた。数日の間で立て続けに数件お客様からクレームを受けたのだ。店長を呼べと言われ名指しであんな店員がいるならもう二度とお店に行きたくないとも言われた。飲食店で理不尽なクレームは良くあり、周りも気にしなくていいよと言ってくれるのだが、結構ショックを受け店長に相談をした。そのとき何を話したかは良く覚えてないが、ほとんどは愚痴で、もう重要なポジションを続けていく自信が無いと言い続けていた。

数時間たっても、もうできないという自分の主張を受け入れない店長に自分は「こんな長い時間つまんない愚痴聞かされるの面倒くさいでしょう、もうよくないですか?」とすごい失礼なことを言ってしまった。少し黙った店長は「〇〇君、俺のこと好きだろ。」と言い、「俺は俺のことを好きだという人を信じるし、その人の話ならいくらでも聞くよ。」と続けた。異性にでも相当恥ずかしいだろう言葉を同性相手に店長はさらっと言ってのけた。その言葉を聞いた自分は何も言い返せずに「分かりました今まで通り続けます。」とすんなりと折れてしまった。

 バイトは大学卒業と同時に辞めたのでもう10年近く昔の話で、その当時の店長の年齢である27歳を軽く越えた年齢となり、店長とは辞めて以来数回近況報告をした程度で今では連絡も取っていないが、今でも憧れの存在で目標でもある。職業は違うが人を導く立場として悩んだときは店長ならどういう対応をするだろうかと思ったりもしている。

 人を成長させるのは人である。皆さんもこれからの人生で目標にできるような存在に出会い自分を成長させていって欲しいと思っている。

数学科S