秋を感じて歩くと...

現在、奥州街道を歩いている。奥州街道は江戸日本橋を起点とする五街道のうちの一つで、日本橋から宇都宮を通って、白河までの27次(27の宿場町)である。
五街道のうち東海道53次と日光街道21次は、すでに歩き通して、3つ目の街道である。毎回25キロぐらい歩くので、季節のよいときが歩くのに適していることから、春と秋に歩くことが多い。
先日も奥州街道を歩いてきた。この時期の街道歩きは、秋の景色が楽しめる。稲が実って黄金色に染まり、風にそよいでいる様子。柿が色づき、農家の軒先で揺れている様子。道ばたに咲く曼珠沙華(彼岸花)の美しさ。
道ばたに栗を見つけるのも秋の旅ならではである。子どもが小さいとき、秋になるとよく栗拾いに行ったものだが、農家できちんと育てられている栗とは違って、自然に生えている栗は大きさが1/3ぐらいである。
しかし、小さいながらにつやつやと輝き、豊かに実っている。思わず手に取ろうとしていがにはばまれる。「痛っ」 足で踏んづけていがを割り、実を取り出す。あたりをよく見るとそこかしこに落ちているではないか。しばし足を止め、栗拾いに興じる。10分程度で片手一杯になったので、リックに入れて持ち帰った。

車や電車などと違って、歩く速さで移動するので、見た目の景色はあまり変わらない。しかし、ゆっくりと目に入ってくるそれらの景色を見ていると、自然によって心が解きほぐされていくような気がする。
自分の足で歩く。スピードはゆっくり。だからこそ見えてくるものがある。深まる秋の中また歩きに出たいものである。

ところで、家に持って帰った栗は買ってきた栗とともにゆでて食した。意外なことに、大きな栗よりも、拾ってきた小さな栗の方が色も濃く、甘みも強く美味しかった。

国語科M